356号 東北大の論点
冬が到来し、積雪による路面の凍結が心配される季節となった。今回は、冬季の川内―青葉山間のバス利用について取り上げる。
本学の理、工、薬学部のキャンパスは青葉山にあるため、通学手段として自転車、原付、バイクを利用する学生が多い。通学経路には急勾配の坂や見通しの悪いカーブがあり、交通事故多発地帯となっている。大学側もこの状況を憂慮し、以前から公共交通機関を利用して通学するように注意を喚起してきた。しかし、混んでいる、時間通り来ない、バス代が高いなどの理由から、利用者はあまり増えていない。
冬季には、原付・自転車で通学する学生も一部バス通学に切り替えるが、その分8時半ごろのバスが通常よりも混雑する。バス停には乗客が列をなし、なかなか乗車できない。結局、やむを得ず原付を使用し事故に遭う、というケースが少なくない。
大学側もこの状況を野放しにしているわけではない。平成27年に地下鉄東西線が開通する。本学学生はこの地下鉄の最大の利用客になりうるとして、大学は市と議論を重ねている。大学が一括で地下鉄の運賃を支払うことによって定期券や学割よりも割安に地下鉄を利用できるようにする、あるいは他大学と連携して、学生証の提示だけで地下鉄を乗り放題にする、などといったことも検討している。また、一人でも多くの学生が地下鉄を利用できるように、学生の居住地を地下鉄沿線に集めるなど、計画は長期的だ。
ただ、この地下鉄の完成は8年後のため、現在在学中の学生は依然として不便を強いられる。大学側は、その点について明確な対策を打ち出せていない。バスの混雑状況など詳細を把握できていないため、あまり学生が利用しない道路(山屋敷からバス通りへ抜ける路線)を整備するなど無駄な工事も目立つ。学生の生の声を聞きたいとコメントしているが、実際に発言の場を設けてはいない。
学生側のあきらめも問題に拍車をかけている。進んで発言しようとしなければ自分達の本音は届かない。
問題の根本的な解決は8年後の地下鉄開通を待たなければならない。しかし、今も多くの学生が危険にさらされている。大学はできる限り、学生の安全を確保する努力をしてほしい。バスの本数が絶対的に足りていない状態では、学生がバス通学に切り替えるのは不可能だ。まずは朝のバス増発を仙台市交通局に依頼する。その上で改めてバス通学を呼びかけ、アンケート調査等も行い学生の声を取り入れていく。このような対策が考えられるだろう。
