東北大学新聞:

精巧な口腔模型を開発

 流体科学研究所の太田信准教授が口腔模型を発表した。この模型はテクノキャストとの産学連携により開発された。実物そっくりの模型であり、歯科医師などからは好評だ。

 模型開発の背景として、現在歯科治療教育現場で使用されている口腔模型は、形状はある程度再現されているが、物性は再現されていないことが挙げられる。例えば、実際の粘膜より硬かったり、骨との接着が正確でなかったりなどの問題があった。 
つまり、歯学部の学生は実際の粘膜・骨とは感触が程遠い模型を使用している。どのくらいの力でメスを入れればよいのか、どれぐらいの力で縫合すればよいのかが分からないので、従来の口腔模型を使用している限り、臨床で求められる技術を確実には習得しにくい。物性を再現した今回の模型により、歯科治療や教育環境の改善が期待されている。また、患者の安全を確保することが可能になる。
模型開発にあたって、本学歯学部の山口先生や開業医と度重なるディスカッションが行なわれた。そのため、工学の知識と歯科医師の経験や感覚が加わり、工学的にも歯学的にも価値のある口腔模型となった。
太田准教授は「山口先生との話し合いで、互いに理解しにくい点を納得するまで話しあった。今回の模型開発の成功の秘訣はそこにあると思う」と語った。
今回の模型に用いられた技術は、これからも活用され、心臓などの別な部分の模型開発にも応用される予定だ。

Copyright (C) 東北大学新聞