特集 突撃!となりの研究室
毎回一つの研究室を訪ね、研究内容などを紹介する「突撃ッ! 隣の研究室」。第二回は、文学部心理学研究室社会心理学専攻の辻本昌弘講師にお話を伺った。
本学文学部心理学研究室は、主に社会心理学・感情心理学・応用認知心理学・知覚心理学を取り扱っている。どれも他の学問分野と密接な関わりを持っている。
人間の思考や行動はもちろん一様ではない。それらをより一般化するために個々の人間のデータを取り、多くに共通する要因を抽出しなければならない。この研究室には、そのための実験室が装備されている。そこには何台ものパソコンがずらりと並ぶ、あたかも理系の研究室のような光景が広がっている。被験者の協力を得て、日々実験が行われているという。
辻本講師は、本学文学部在学中に社会心理学に興味を覚えた。大学院時代、南米に実地調査に行く機会を得たのを契機に、民族的アイデンティティや人々の相互協力などについて研究を重ねている。移民の多い南米のアルゼンチンや、沖縄諸島など実地調査に出向き、現地の人々と生活を共にしたこともある。そこで厳しい状況下におかれた人々がいかに協力して生きていくかを、アンケートやインタビューを元に調査を進めた。研究という枠を離れ人間の多様なあり方に触れたり、移民の人々が現地に持ち込んだ文化が根付いているのを肌で感じたりすることもあった。また、異文化との接触は、辻本講師自身も自分をよく知るきっかけになったという。
心理学という学問は、理系のように装置を開発するといったことがない分、外から研究の成果は見えにくい。さらに人々の協力行動について深く調べていきたいとしつつも、解決の糸口を見つけるのは容易ではない。
「よかれと思って続けていた研究が、全くの無駄だったということもある。どうしたらいいかわからないから、日々試行錯誤。それが辛くもあり、また面白くもある。自分の研究を通じて、少しでも社会の役に立てればと思う」と辻本講師は語る。
