東北大学新聞:

361号 お仕事探訪

今回は、女性研究者育成支援推進室の専任助手、久利美和さんにお話を伺った。

東北大学は日本初の大学における男女共学を実現させた大学として知られている。しかし平成十九年の女子学生の割合は23.6%、女性教員の割合も平成十七年の調査では7.7%と、国立大学の中でも非常に低い数字だ。
 このような現状を改善するため、平成18年度に開設された推進室では、大学の研究・教育環境を見直し、女性にとって利用しやすいものに変えていくことを目指した「杜の都女性科学者ハードリング支援事業」取り組んでいる。
また、久利さんは地学の研究者であり、筑波大学で博士学位を取得した後、同大学の研究員や、東北大学理学研究科の研究支援員などを経て現在の仕事に就いた。その間、研究者として仕事をしつつ出産し、現在も小学生のお子さんを育てながら仕事をしている。まさに推進室が支援の対象とする女性研究者でもある。
推進室の助手として初めて取り組んだ仕事は、育児・介護に関わる女性研究者が仕事を続けられる環境を整えるための短時間勤務制度の実施に向けての準備作業だった。制度の枠組みは法律にのっとって設計されるが、実際の運用に当ってどうしたら利用する女性にとって使いやすい制度となるのか、細かな解釈を人事担当者とやり取りしつつ探っていった。そこでは、子育てをしながら研究に関わる仕事を続けてきた自分の体験がそのまま意見として生かされ、「意外な経歴が意外に生きてくる」と感じたという。
現在の仕事に生かされている「意外な経歴」は他にもある。久利さんは前職で、研究活動を一般に公開する広報活動を担当していた。ここでの経験は、推進室の事業のもう一つの柱である次世代育成プログラムでの女子院生による高校生や市民への科学セミナーに生かされている。「研究を人に見せるっていうことは、彼女たちよりも長くやってきているわけだし、物事を先に経験した人が次の人に伝えるっていうのは当然のこと。」
久利さんはこれまで女性研究者として様々な経験を積んできた。「そのことを伝えられる場面が多ければ嬉しい」という。多くの女性研究者の経験が生かされることで、大学の研究・教育環境は変化していくことだろう。


Copyright (C) 東北大学新聞