DV訴訟 質問状 「回答できぬ」
12月1日、国際文化研究科(以下、国文研)は、ドメスティックバイオレンス(DV)で訴えられている米国人H教授に関して学友会報道部が提出した質問状に対し、回答を拒否した。
京都市の女性にDVで訴えられている国際文化研究科の米国人H教授について、報道部は調査委員会の調査結果や教授の勤務実態などを尋ねる質問状を、11月30日に国文研の研究科長と事務長宛へ提出した。
裁判で争われているのはDVの有無だが、「教授と交際していた04年6月から暴行を受けた06年6月までの間、教授が学生へセクハラしたことや研究費を不正に使用したことなど、教授の口から直に聞いたり見たりした」と女性は訴えている。一方、教授は女性の主張を全面的に否定している。実態を探るべく報道部は第三者として取材をしており、先日、国文研を訪ね事務長へインタビューを行った。
「原告の言っていることが真実だとしたら、H教授は許されるべきではない。しかし、被害者から訴えがないのは不思議だ。卒業したりして本学を離れたなら、匿名で告発状を出すこともできるだろう。いたとしても被害者はもう亡くなっているのでは」と事務長は述べた。インタビューでは不明瞭だった事実関係などを補うため、国文研へ文書で質問した。
質問状を提出した翌日の12月1日、石幡研究科長から返信が来た。書面には「平成19年11月30日付質問状にてお尋ねの件についてはお答えできません」とだけ記され、理由はなかった。これを受け報道部は、質問状に答えることができない理由を求め、すでに再度質問状を提出している。
また報道部は、本学の情報公開室へ法人文書開示請求書を提出し、本学へ情報開示を求めた。独立行政法人等情報公開法により、開示できる場合は開示決定の旨が、開示できない場合は理由も添えられて通知がなされる。情報開示請求が受理された12月3日から30日以内、つまり来年1月4日までに開示決定通知される予定。
大学院国際文化研究科の米国人H教授がドメスティックバイオレンス(DV)を理由に、京都市の女性(原告)から損害賠償を求められている訴訟の判決は、12月19日10時半から仙台地方裁判所で下される。
本件は、河北新報や週刊現代、週刊実話で記事が掲載された他、インターネットの「2ちゃんねる」や「ミルクカフェ」という匿名による書き込みサイト上でも話題となっている。
この訴訟で争われているのは、06年6月20日、H教授の公費出張先だったドイツ東部の町のインターネットカフェで原告がH教授から暴行を受けたかどうか。しかし、訴えによると、H教授は、過去に留学生を含む複数の学部学生や大学院生にハラスメントをしたり、性的行為を強要したりしていた。
一方で、H教授は訴えを全面的に否定している。
本件に限らず、学内でハラスメントの被害を受けたという人は、学内外の相談窓口に訴えてほしい。新たな被害の抑制につながる。
原告の主張では、H教授は、彼が受けもっていた全学教育科目の英語の授業で知り合った女学生に性行為を強要した。学部学生に止まらず、大学院に在籍するある留学生を妊娠させ堕胎を迫るも叶わず、結婚しているという。H教授はその時点で別の日本人女性と結婚しており、本当であれば刑法で罰せられる「重婚」である。
また、係争中、H教授は目的を偽って、元留学生女性をモデルにDVがあったとされる当日の「再現写真」を撮影し、暴行がなかったという証拠資料として37枚を仙台地裁に提出した。教授自身が本人役、元留学生が原告役となって、撮影されていた。
07年8月6日の本人尋問でH教授は、原告側から「(元留学生に)『小説の挿絵に使う』と言って撮影していないか」と問われ、写真撮影の目的を「『シナリオ』と説明した」と証言。裁判に使うと説明したかを尋ねられ、「そんな説明はしていない」と答え、元留学生に無断で提出したことを認めた。
11月22日、国文研の事務長へのインタビューによれば、「H教授は現在帰国し大学で講義を行っている」と述べた。しかし今現在、アメリカでの講義についての確証は得られていない。また、H教授が研究費を不正に使用したとされる件については、大学で調査委員会が設けられ、「不正使用の事実なし」という調査結果が出たそうだ。「裁判資料を確認していないので、訴えの信憑性など確かなことは分からない。原告の訴えが真実だとしたら、H教授は許されるべきでないが、今のところ国文研へセクハラの被害者から訴えはない。卒業したりして本学を離れたなら、匿名で告発状を出すこともできるだろう。原告のいう被害者は実在するのだろうか」と事務長は述べていた。
後日、報道部は11月30日付で国文研の事務室へ研究科長と事務長宛に質問状を提出。12月6日までに回答を求めた。質問内容は、H教授の現在までの勤務実態、それを証明する文書や、設置された調査委員会、訴訟についての研究科長と事務長の考え方など。
これに対し、翌日12月1日、研究科長より返事が報道部へ届いた。「回答できない」という一文のみが記され、理由は書かれていなかった。報道部は再度質問状を提出し、さらに理由を求めたが、「理由はない」と回答してきた。
報道部は、本学の情報公開室へ法人文書の開示を請求。原告が訴える、H教授が学生に行ったハラスメントや研究費の不正使用についての調査委員会に関する資料や、H教授の勤務実態が分かる資料などの開示を求めた。開示決定通知がなされるのは08年1月4日の予定。
なお、報道部は本件についての情報提供を求めています。いただいた情報は、提供者の意思を尊重し、提供者と十分に協議し配慮した上で紙面に生かさせていただきます。個人が特定できる情報は報道部で厳重に管理し、他言いたしません。情報を提供していただける方は下記のメールアドレスへご連絡ください。
houdoubu_futagami○gmail.com(担当:二神)
お手数ですが○を@に変えてください。
【独立行政法人等情報公開法】
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【DV(ドメスティックバイオレンス)】
親子間や夫婦間の暴力を指す「家庭内暴力」と訳すのが一般的だが、本件のように恋人からの暴力も含む。
