ゴミから文化を考える
マルチメディア棟206にて、12月15日に東北文化研究室公開シンポジウム「ゴミと文化学―過去と現在―」が行われた。
このシンポジウムは、「縄文人の『ごみ』と集落」、「古代都城の廃棄物処理」、「ごみ排出行動にみる利害と理念」の3つのテーマで、それぞれの講演の後にさらにコメントを述べ、最後に質問時間をとるという形で行われた。
最初のテーマでは、菅野智則氏(本学大学院文学研究科助教)が、縄文人のごみ廃棄場であった貝塚について述べた。さらに貝塚にはごみもそうでないものも一緒に捨てられており、縄文と現代とはごみに対する感覚が異なっていたとみている。しかし過去のものを現代の感覚で説明することは難しく、それが今後も継続すべき課題だと菅野氏はしめくくった。
続く松井章氏(奈良文化財研究所埋蔵文化財研究センター環境考古学研究室長)は、平城京・平安京を中心としたトイレの科学的分析、その変遷について語った。古代都市は、生活汚水の始末をも考慮に入れた都市計画を行っていたと考えられている。また、トイレ遺構からは過去の人々の生活環境や健康状態、食文化を知ることができる。松井氏によれば、トイレは過去を知る重要な考古資料だとのことだ。
3つ目のテーマは現在の視点からごみを見るものだ。海野道郎氏(本学大学院文学研究科教授)は、社会的ジレンマの観点からごみの多分別について述べ、その回避に成功した事例として水俣市を取り上げた。それに対して安田八十五氏(関東学院大学経済学部教授)は、モラルと社会システムがごみ問題に関しては重要だと述べ、それを解決するには製品を製造する業者側が廃棄処理等の責任を負うべきだとコメントした。
最後に質問時間が設けられ、参加者からの質問に熱心に答えていた。
