東北大学新聞:

匿名投書に関する対応・調査委員長 庄子哲雄理事インタビュー

――庄子理事が1月31日に発表した文書で井上総長の論文の再現実験について触れています。その中で、「現有の装置がない」となっているにも関わらず「再現できる」とした理由は何でしょうか?
その当時の装置は古いものでその装置自身はは現存していない。しかしながら今回資料で示した「改良した水焼入れ法」は論文作成当時に行われた方法と同じ方法であり、当時新しい手法であったこの方法を知らない他のグループは再現ができなかった。
今回は当時の装置ではないが、同じような手法で再現することができたため、再現性があると判断した。決して今回新たに最新の技術を使って再現したのではなく、当時と、同じ原理を使って実験を行った結果である。

――告発状では「フランスグループとベルリングループが『井上総長の論文が再現できない』と指摘しているにも関わらず、井上氏は説明責任を果たしていない」とあります。
告発状を読む限り「井上氏の論文を海外グループが再現できていない」と指摘しているが、これは正確ではない。確かに海外グループは井上氏の論文と全く同じ大きさの金属ガラスは作製できていないが、ある程度の大きさのものの作製には成功しており、そのことは論文に記載されている。全く同じサイズのものができなかった原因は前述の「改良した水焼き入れ法」といったような製造のノウハウを海外グループが知らなかったためだと思われる。

――対応・調査委員会の学外委員にあたった東京工業大応用セラミックス研究所所長の近藤氏は上氏をリーダーとする共同プロジェクトの一員。報告書のレビューを依頼したのは大阪大産業科学研究所教授の弘津氏と放送大宮城学習センター長の大橋氏であり、弘津氏は井上氏を代表とする特定領域研究「金属ガラスの材料科学」の総括班の一人、大橋氏は本学元教授です。このような人選をした理由は?
弘津氏は対応委員会が作成した報告書に含まれる技術的な判断が妥当であったかについて判断していただくことでお願いした。従って自ずと十分に専門的知識を持った方がふさわしいと判断しお願いした。大橋氏については技術的なは中身に関してより対応委員会の対応プロセスについておかしいところはないか客観的に見てもらうためにふさわしい方と思い選任した。
お二人とも報告書を客観的に見てくれる方であると判断した。
翻訳して海外に送るという手もあるかもしれないが、金属ガラス分野では日本はトップクラスのレベルなので日本国内の専門家に依頼した。

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