仙台学生食文化紀行その1
学都仙台。この町には多くの隠れた名店が存在する。ここではそんな名店の中でも、手ごろな価格、 利用しやすい立地にある店を紹介したい。
片平キャンパスからほど近くにあるサンモール一番町。その一角、見上げた二階にその店はある。
カレーショップ『酒井屋』。創業40年の歴史を持つ、知る人ぞ知る老舗だ。学生からサラリーマン、年配の方まで幅広い客層をもつこの店。現在のオーナーは二代目で、初代の頃から変わらない味を今も守り続けている。そのため、昔からの常連客も多いという。
店内を一言で表すなら、まさに『家庭的』。カウンター席について注文をした後は、備え付けの漫画や新聞、テレビを見ながらゆっくりと待つ。席から調理場が一望でき、頼んだ料理が一つ一つ手作りで作られていくのが目に入ることも、アットホームな雰囲気作りに一役買っている。
『体によく、環境にやさしい』がモットーという酒井屋。店で出される野菜は、すべて無農薬、減農薬のものを買い付けている。大学は農学部を出たというオーナー、まさにこだわりの素材が用いられている。また、入口付近にはなぜか体重計が。『体によい』がモットーの酒井屋ならではの、心にくい気配りだろうか。
そんな酒井屋オーナーのおすすめは、ヘルシーで栄養バランスに優れた、玄米を使ったメニューだ。酒井屋では玄米を一日水につけて柔らかくする、ヒエ、アワ、麦や黒豆をはじめとした8種類の穀物を混ぜるなどのこだわりの製法がとられている。こうして作られた玄米ご飯は、口どけがよく、旨味とともにほのかに甘さをかもし出すのだ。「玄米は腸を元気にするし、栄養価も高い。うちの玄米を食べておけば、ほかに何も食べなくても大丈夫」とオーナーも自慢の逸品だ。
玄米を使ったメニューの中でも人気なのが、玄米の上にルーと、煮込み野菜のかかった『玄米野菜カレー(750円)』。甘~くとろけるようなアツアツの煮込み野菜と、辛めでシンプル、とろみのある濃厚なルー。玄米ご飯との相性、栄養価共にバツグンの、酒井屋を象徴するようなメニューに仕上がっている。
とにかくメニューが豊富な酒井屋。そのメニュー数は、サイドもあわせると100にも届くという。全てをとりあげることはできないが、少しばかりオススメのメニューを紹介したい。
常連さんには、玄米ご飯にイワシの煮付け、味噌汁、小鉢などをセットにした『玄米いわしセット(600円)』や酒井屋独自のシンプルな味の『ドライカレー(650円)』が人気だ。このドライカレーにルーをかけた『ダブルドライカレー(750円)』も一度に二つの味が楽しめるのでおすすめだ。
カレーだけでは物足りない!という人におすすめなのが『うどんセット(150円)』。カレーなどを注文した場合に限り、通常サイズのうどんと半熟玉子がこの大サービス価格。少し小さめの『ミニうどんセット(100円)』もあるので、その辺は胃袋や財布と相談して決めてみよう。逆に多すぎる!という方にはミニカレーそばセット(450円)がオススメ。
ドリンクメニューも、各種果物ジュース、ビールと揃っているが、中でも特徴的なのは『人参100%ジュース』だ。一見ありがちに聞こえるが、そこは健康志向の酒井屋。なんと中に入っている氷までもが人参からできている。加えてとにかく甘い。本当に人参だけでできてるの?とつい疑ってしまうほど。量も選べるが、一食分なら一番少ない量で十分だろう。
お客さんの健康第一。そんな優しさが、40年の長きに渡って店を支えてきたのだろう。こと一人暮らしの学生は食生活が偏りがちだ。食生活に不安のある方は、一度酒井屋の優しさに触れてみるのもいいかもしれない。
