東北大学新聞:

DV訴訟、控訴審が結審

本学大学院国際文化研究科の米国人H教授が、交際相手だった京都市在住の女性(Aさん)からドメスティックバイオレンス(DV)を理由に損害賠償を求められた訴訟の控訴審が4月24日、仙台高裁で結審した。判決の言渡しは6月26日。

控訴審でH教授が新たに提出した資料によれば、全学教育を束ねる荒井学務審議会委員長が石幡研究科長を通じて、全学教育科目の英語を担当するのを1年間自粛するようH教授に依頼したことが分かった。今年度、H教授は英語の担当から外れている。また調査委員会が設けられ、H教授へ事情聴取がなされたことも明らかになった。さらに職員就業規則第50条に基づき、H教授は石幡研究科長から文書で注意を受けたことも判明した。いずれも「H教授は私生活の話などがマスコミに報じられ、学生や保護者へ疑念と不安が広がり、大学の信用を揺るがす事態となった」ことが理由。
H教授は昨年9月から12月、一審判決をはさんで12月から今年3月の2回に分けて、東京財団の助成金を受けUCLAで講義を行う予定だった。しかし助成金がなかなか出されなかったため出張から自費研修に変更して渡米した。助成金の内定は12月4日付で取り消されている。
昨年11月のインタビューで佐久間事務長(当時)は「H教授の6ヶ月にわたる自費研修はUCLAでの講義のため」と答えた。しかし教員研修簿に9月から12月は「正規の授業として承認を得るため」とある。講義の準備に3ヶ月の渡米が必要か、実際に講義をしたのか、このような自費研修がなぜ許可されたのかにも疑問が残る。
研修にあたり、石幡研究科長はH教授が所属する講座の全教員4名と事務長を招集した。そこで教員の1人が反対したものの、研究科長は講座の合意をとりつけたものと判断。研修は強行された。4月のインタビューで研究科長は「講座の同意は得られたと捉えている」とだけ答え、教員の一人が異を唱えた事実には言及しなかった。
一審は、H教授のAさんへの暴行(本訴)とAさんが複数の関係者へ郵送した手紙による名誉棄損(反訴)が争われた。判決はDVを認定してH教授へ約11万円(請求・約300万円)の損害賠償の支払いを命じ、反訴を退けた。
一審判決によれば、既婚者のH教授は04年5月に出会い系サイトでAさんと知り合い交際が始まった。06年6月、AさんがH教授の求めに応じて同行した公費出張中、ドイツ・ドレスデン市にあるインターネットカフェで2人は口論となりH教授はAさんに罵声を浴びせ暴行し、けがをさせた。
結審しAさんは「私はHが女子学生たちに働いてきた性暴力や指導生たちへのパワハラ、公金の不正使用などについて国民の一人として許しがたく、さらなる被害を抑止するためにも訴訟に踏み切った。大学は問合せに一切応じなかった。判決後の対応に期待する」と話した。
H教授へは取材を申し込んだが、「係争中」との理由で断られた。
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