東北大学新聞:

視機能回復実験に成功

本学国際高等研究教育機構・国際高等融合領域研究所の富田浩史准教授、菅野江里子特別研究員らの研究グループは緑藻の一種、クラミドモナスの遺伝子をラットの網膜に注入し、視機能を回復させる実験に成功した。

光を感知する視細胞が異常を来たす網膜色素変性症や、老化に伴って発症する加齢黄斑変性症など根本的な治療法がまだ確立していない難病に応用可能である。
今まで失明治療の研究は、人工網膜の開発というテーマに沿ってなされてきたが、高い解像度を得ることは難しいという問題点があった。そこで、富田准教授らの研究グループは2003年、ドイツで発表されたクラミドモナスの特性に関する論文に着目。その特性を使って失明治療に応用するという全く新しい研究を確立した。
クラミドモナスとは緑藻の一種で光感受性のイオンチャネルを持っているという特性がある。その光を感知する遺伝子を失明したラットの網膜神経節細胞に注入した。その結果、6週間後にはラットは光に対し反応を示すようになり、また青限定ではあるが、色を認識できるようになった。今のところ遺伝子注入に対しての拒絶反応や副作用は出ておらず、また1年以上効果が持続している。
今後、富田准教授、菅野特別研究員らの研究グループはサルで実験を行い、早期実用化を目指す予定。

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