東北大学新聞:

コーヒーで子宮ガン抑制か

コーヒーを毎日飲む女性は、飲まない人に比べて子宮体がんにかかるリスクが約4割にとどまることを、本学大学院医学系研究科の八重樫伸生教授らのグループが明らかにした。

子宮体がんは、子宮内膜の細胞が異常に増殖する病気。おもに閉経後の女性がかかりやすく、1万人に1人の確率で発症する。30年ほど前から増え始めたことから、ライフスタイルの欧米化による食物、栄養素の変化がその原因ではないかと考えられてはいるが、はっきりした原因は分かっていない。そのハイリスク因子として、肥満、高血圧、糖尿病、授乳歴がないことなどが挙げられる。
今回八重樫教授は、研究対象者に対し、基本特性、生活習慣、出産経験、食事習慣についてアンケート調査を行った。特に食事習慣については、食品や飲料など細かく141項目に分けて行われた。
この結果、コーヒーの摂取量の違いによって発症率に明らかな差が現れた。コーヒーを1日3杯以上飲む人は、週3、4杯以下の人に比べ子宮体がんの発症率が約4割にとどまった。この結果から、コーヒーは子宮体がんの発症を抑える働きをしていると考えられる。また、コーヒーの量を増やせば増やすほど発症リスクは低下することもわかった。 
ただ、現時点では有効成分の特定には至っていない。仮説として、①植物エストロゲンが子宮内膜においてエストロゲンを抑える働きをする、②カフェインが交感神経を刺激して代謝を促進するとともに、インスリンの反応性を高め糖代謝を促進する、③ポリフェノールの抗酸化作用によってがんの発症を抑えるなどの説が挙げられている。
乳がんの予防に効果があるといわれるコーヒーだが、今回の研究から、コーヒーが子宮体がんの発症を抑える働きをする可能性も提示された。今後有効成分が特定されれば、より効果的な予防法の開発につながる可能性がある。

Copyright (C) 東北大学新聞