東北大学新聞:

368号一言居士

杜の都仙台にも熱い夏がやってきた。

青葉通りのケヤキ並木は青々と繁り、行き
交う人々に至福のひと時を与えてくれる。こんなにも清々しく平和な時が永遠に
続けばいいのに、そう願わずにいられない。しかし、現実は残酷なものである。
つい一か月前の出来事を皆さんは覚えているだろうか。そう、岩手・宮城内陸地
震である▼突然テレビから緊急地震速報がながれ、その直後激しい揺れに見舞わ
れた。私の地元は震源地に程近い岩手県の南部であるため、すかさず実家に電話
をかけた。しかし、案の定つながるはずはない。家族を心配しながらも私は以前
から予定されていたアルバイトの採用試験を受けに出かけた。そこでも困難がま
ちかまえていた。エレベーターが動かないのである。私は泣く泣くビルの20階ま
で歩くこととなった。都市機能はいとも簡単に麻痺してしまう。交通機関も乱れ
、多くの人が不利益を被った。なによりも、犠牲者の方々のご冥福をお祈りした
い▼30年以内に宮城県沖地震が起きる確率は99%という試算もでている。明日起
きてもおかしくはない。いたずらに不安を煽るわけではないが、せめて非常食の
準備くらいはしておきたい。忘れやすいのが人間の欠点だが、忘れない努力は人
間にしかできない。そのことを胸に刻んで日々過ごしてもらいたい。

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