DV訴訟控訴審判決下る
本学大学院国際文化研究科の米国人H教授が京都市在住で彼と女性(Aさん)か
らドメスティック・バイオレンス(DV)を理由に300万円の損害賠償を求め
られた訴訟の控訴審判決で、仙台高裁は7月10日、一審仙台地裁判決に続きH教
授の暴行を認め、一審判決の賠償額(約11万円)より多い約21万円(慰謝料20万
円)をAさんに支払うよう命じた。一方、AさんがH教授の女性問題を告発する
手紙を大学関係者やメディアに送ったのは名誉毀損だとして、H教授がAさんに
1000万円の損害賠償を求めた反訴の判決は、一審判決を変更し、大学関係者
に手紙を送ったのは名誉毀損に当たるとしAさんに25万円(慰謝料20万円)の賠
償を命じた。
判決によると、06年6月20日、学会に参加するため訪れていたドイツのドレスデ
ンにあるインターネットカフェでH教授とAさんは口論となった。H教授は椅子
に座っていたAさんを突き飛ばし、けがを負わせた。H教授は公費出張中で、A
さんは彼の求めに応じて同行した。H教授は既婚者だが、04年5月にインターネ
ットの出会い系サイトでAさんと知り合い交際が始まった。
名誉毀損について大橋弘裁判長は「Aさんが大学関係者に送った手紙により、H
教授は仕事を続ける上で痛手を負ったが、身から出たサビと言わざるを得ず、損
害は大きく評価できない。公費出張先での不倫相手への暴行は事実。H教授の教
員の適格性や研究費の使途に疑問を持った大学が調査し、講義の担当から外した
り、注意したりするのは十分ありうる。東京財団が助成金の内定を取消したのも
当然の判断。しかしH教授の性癖や女性問題の告発には公共性がなく名誉毀損」
と述べ、慰謝料は20万円が相当とした。
H教授は昨年度後期、東京財団の助成金でUCLAへ研修に行く予定だったが助
成金がなかなか下りず、自費に切りかえ研修した。しかし本当にUCLAで講義
したのか、どの程度の講義なのか疑問が残る。また今年度前期は授業を自粛させ
られ、本学で一つも授業せず給料を得られた。
提出されたAさんの手紙や訴えによると、「ある留学生はH教授に妊娠させられ
堕胎を迫られたものの男の子を出産。日本人女性と結婚しているH教授は留学生
とも結婚し、現在重婚状態である。さらに、ある医学部生はH教授の授業を受け
たことをきっかけに性関係に持ち込まれた。別の医学部生はH教授が顧問してい
た運動部で通訳をしたことがあり、継続的に肉体関係を持たされていた。その他
、アルバイトで雇った留学生に研究費を還流させた」。
大学は「判決内容をまだ確認しておらず、大学が裁判の当事者でないからコメン
トを控えたい」としている。石幡国際文化研究科長は、本部の仕事で忙しいとの
理由で取材できなかった。
7月2日、別の訴訟の口頭尋問で、H教授が現役学生へセクハラをしたという疑
惑が浮上した。Aさん側の弁護士は、被害を受けたとされる現役学生や元学生、
他大学の教員など計3人の名前を挙げ、肉体関係にあったかH教授に尋問。H教
授はこれをすべて否定した。しかし、出張中ホテルの一室でその現役学生と二人
っきりになったことがあると認めた。これは大学のハラスメント防止規定に抵触
する。さらにH教授は「私の研究室では妻以外の入室禁止をルールとしている。
学生の面談は公共の部屋で行う」と証言。研究室を私的に利用していないかにも
疑問が残る。
