東北大学新聞:

能動スコープカメラを開発

本学大学院情報科学研究科の田所諭教授らの研究グループが、災害時の人命救助などに役立つ能動スコープカメラを開発した。

能動スコープカメラとは、全体を繊毛で覆ったケーブルに高性能のカメラを搭載したもの。単なるケーブルカメラとは違い、繊毛を振動させることで駆動力を持たせたことが大きな特徴である。
3~5センチメートルほどの小さな穴でも通り抜けることができ、倒壊したビルの内部など狭い空間にも入り込める。人間が立ち入れない危険な場所や、従来のレスキューロボが進入困難な倒壊現場などでも作業が可能なため、救助時の負担軽減につながると期待される。また、駆動力を持たせることで、より広範囲の映像を得ることができる。
能動スコープカメラの性能の高さは、米国で起こった駐車場の倒壊事故で実証されている。高性能の小型カメラにより、コンクリートの断面などを鮮明に映し出すことができたため、倒壊のメカニズムの解明に大きく貢献した。
田所教授がレスキューロボの開発に着手したのは1995年。阪神淡路大震災が起こり、当時神戸大学の助教授だった教授の近辺でも多くの被害が出た。この災害の教訓を活かして、以前から必要性が訴えられていた都市型災害におけるレスキューロボの開発を志し、能動スコープカメラの開発にいたった。現在は運動性能の向上や、視野の拡大といった諸課題の解決に力を注いでいる。
また、東京消防庁や地方の消防署にロボットを貸し出すなどして、実際の災害を想定した訓練も行われている。企業との産学連携も数多くあり、将来の量産を見すえた研究も行っている。

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