DV訴訟 控訴審判決が確定
本学大学院国際文化研究科の米国人H教授がDV(ドメスティック・バイオレンス)を理由に京都市の女性(Aさん)から三百万円の損害賠償を求められた民事訴訟の控訴審判決が下され、確定した。
国際文化研究科の石幡研究科長は報道部のインタビューに対し、「民事不介入の原則から、H教授を処分することはない」と答えた。係争中、教授が目的を偽って、東北大の元留学生をモデルにDVがあったとされる当時の再現写真を撮影し、裁判所に証拠提出していた件についても、「研究科には元留学生から訴えは来ていないし、大学へ訴えたとも私は聞いていない」とし教授に処分は下っていない。教授が平成20年度の講義を自粛するのは決まっており、後期も講義しない予定。
確定した判決のうち本訴の方は、一審判決と同じくH教授の暴行を認め約21万円(慰謝料20万円)をAさんに支払うよう命じた。一方、Aさんが教授自身から聞いた彼の女性問題を告発する手紙を大学関係者やメディアに送ったのは名誉毀損だとして、H教授がAさんに一千万円の損害賠償を求めた反訴の判決は、教授の訴えをすべて退けた一審判決を変更。大学関係者に手紙を送ったのは名誉毀損に当たるとしAさんに25万円(慰謝料20万円)の賠償を命じた。
名誉毀損について裁判長は「Aさんが大学関係者に送った手紙により、H教授は仕事を続ける上で痛手を負ったが、身から出たサビと言わざるを得ない。公費出張先での不倫相手への暴行は事実。H教授の教員の適格性に疑問を持った大学が調査し、何か処置を取るのは十分ありうる。しかし、Aさんが教授から聞いた話を真実と信じるだけの理由がない上、彼の性癖や女性問題の告発に公共性はなく名誉毀損」と述べた。
判決によると、H教授は既婚者だが、04年5月末にインターネットの出会い系サイトでAさんと知り合い交際が始まった。06年6月20日、教授は学会のため訪れていたドイツのドレスデンにあるインターネットカフェでAさんと口論となった。教授は椅子に座っていたAさんを突き飛ばし、けがを負わせた。教授は公費出張中で、Aさんは彼の求めに応じて同行していた。
7月18日、H教授は学友会報道部へ謝罪・訂正の記事の掲載を求める手紙を送った。平成19年11月20日付東北大学新聞に掲載された、「米国人H教授女学生へ性行為強要か」という見出しの記事はまったく事実に基づかず名誉を棄損された、と手紙で訴えている。報道部は記事を吟味し、対応を検討している
