いきなり!自炊伝説
みなさん、自炊ってちゃんとやってますか?
え?面倒だって?だめだめ、たまにはしなくては。俺はやってますよ。自分で言うのもなんですが、結構上手だと思ってます。
以前、そのような話を他の新聞部員たちとしていたら、「いや、お前の料理がうまいとは、とても思えない」との声。それに同調するかの如く、「お前は何でも食うんじゃないのか」、「ていうか、普通の人は食べたら死ぬだろ」、「そもそも食べ物じゃないだろ」との言葉。ああ、なんて失礼なやつらだ。俺は言い放った。「分かった、だったら証明してやる。お前たち、何か1人1品、うちにある余った食材を持ってこい。何かうまいもん作ってやるよ!それでいいんだろ、それで!」。
そういうわけで、新聞部員から食材を集める。卵、大根、鶏の胸肉、にんじん、ピーマン、じゃがいも、ちくわ、オクラ、タコ、きゅうり、もやし、れんこん、マロニー、高野豆腐。ここら辺はまだ普通だ。そして、納豆。使えなくはないが、難しそうだ。メンマ。ラーメン以外に入っているのを見たことがない。砂肝。うちは居酒屋か。餃子の皮。一体、何を包めというんだ?某こんにゃくゼリー。よく噛んで、普通に食べましょう。調理には使えないと思います。豆菓子。大豆の周りに黒糖がついてます。普通に食べてみたら普通に美味しかったです。そして、ビ○フェルミン。いえいえ、腹壊すようなもの出しませんから。
こいつらを一体、どうやって料理してくれようか。まずは煮物だ。多くの材料を一気に消費できる。大根、タコ、高野豆腐。れんこんも少し残して投入。そして鶏の胸肉、にんじん、ちくわを半分使用。味付けは醤油とめんつゆと、山形風芋煮のだし。もちろん、新聞部で芋煮をした時の余り物だ。
さて、残りをどうしようか。使いやすいものを全部使っちゃった感がある。途方に暮れる。その時、俺の頭の中に「ネバネバサラダ」という言葉が浮かんだ。そうだよ。サラダにいろいろ入れてしまえばいいんだよ。手始めに、湯通ししたオクラ投入。そして、きゅうり投入。残しておいたれんこんを、ちょっと酢を入れた水に入れて放置した後、投入。納豆をよくかきまぜ、ぶち込む。そしてこんにゃくゼリー。喉がつまらない大きさに切り刻んで入れる。ドレッシング代わりに醤油とマヨネーズ。上から豆菓子をかけると、完成。
まだ何か余っている。餃子の皮が、何かを包んで欲しそうにこちらを見ている。だがすまない、包むものがない。俺は餃子の皮をじっと見て、小さな声で尋ねる。じゃがいもでいいですか?いいですよね?餃子の皮が落胆の表情とともに頷いた気がした。なので、じゃがいもを餃子の皮で包める大きさに切り、包む。そしたら大量のじゃがいも餃子ができる。じゃがいもはなくなったが、まだ餃子の皮は余っている。もうお前なんて知らない。
作ったはいいが、じゃがいも餃子、どうしよう。焼いてもあんまりおいしくなさそう。そうだ!中華風のスープでも作って、それに入れてみよう。水に中華風だしとチューブの生姜、醤油を入れ、火にかける。沸騰したら余った鶏肉、メンマ、マロニー、そして大量のじゃがいも餃子を鍋に入れ、弱火に。みるみるうちにじゃがいも餃子が水を吸い、膨張する。水を足してみるも、じゃがいも餃子はまだまだ水を吸う。とりあえず、さらに水を増やす。味が薄まらないよう、適宜、調味料を継ぎ足す。とりあえず水の減りがゆるやかになってきたところで、とき卵を入れる。ゆるやかになっても水を吸い続けるじゃがいも餃子。結果、水はほとんどなくなってしまい、中華スープになりたかった、鍋の中身はデロデロじゃがいも餃子の塊となってしまった。
あと、余りは何だって?ちくわ半分、にんじん半分、もやし、砂肝。悩むまでもない。これは炒めるしかない。余らせても仕方ないので、余った餃子の皮も炒めてみた。そうやって、砂肝の炒め物が完成。材料はこれで全て使い切った。いざ試食!
まずは、無難そうな煮物から食す。「普通においしい」との声。「学食よりうまい」という嬉しい意見まで飛び出した。そして、食べられなくもなさそうな炒め物。これもおいしいと評判。餃子の皮も案外美味しく食べられた。これ、ひょっとして全部おいしいんじゃないの、と思う俺。しかし、他のみんなの反応は違った。それも仕方あるまい。中華スープにはとても見えない、じゃがいも餃子の塊を見て「これ、食えるの?」と言いたげな人たち。そして誰1人として視線すら向けていない、ネバネバサラダ。こいつらがまだ残っている。とりあえずは、じゃがいも餃子を食べる。一体何の食べ物なのかは分からないが、案外おいしい。これはいける。強いて言うなら、じゃがいも餃子が適量で、ちゃんとスープになっていれば、もっとおいしかったであろう。そして、最後まで残ったネバネバサラダ。いかにもヤバげだ。危険な香りが漂ってくる。具体的には納豆と、こんにゃくゼリーから漂うブドウの香り。勇気ある誰かが、恐る恐る口を付ける。美味しくない。こんにゃくゼリーから溢れる、ブドウ味の甘いエキスがサラダ全体にしみわたる。醤油マヨネーズとブドウ汁の醸し出すコンビネーション。絶妙にまずい。そして、場違いな豆菓子の味。これを食べたある人は言った。「こんなもん犬でも食わねぇよ!」
そんなこんなで、全ての料理を食べ終わった。参加者たちによって、例のサラダはめでたく、「DOG KILLER」と名づけられた。だから、食っても死にませんってば。ところで、俺の料理はどうだっただろうか。とある参加者に聞いてみた。
「料理はどうでもいいけど、家にあったカ○バラさんのぬいぐるみが超可愛かったです!」。
素敵なご意見ありがとう。そうですね。もう、どうでもいいですよ。
