輸送タンパクの新機能発見
本学大学院生命科学研究科の福田光則教授らのグループはヤリイカの巨大軸索を用いて、低分子量Gタンパク質のRab27が神経伝達物質放出の制御に関与していることを発見した。
これまでにRab27がメラニン色素の輸送に関与していることは発見されていたが、神経伝達物質の放出への関与については今回の発見で初めて明らかになった。
神経細胞間の情報交換には、シナプス小胞に貯蔵された神経伝達物質が細胞から放出され、別の細胞に受け渡されることで行われている。一度使用されたシナプス小胞は再回収され、神経伝達物質を再充填され、細胞膜へ輸送される。今回、福田教授らのグループは再回収されたシナプス小胞が細胞膜へ輸送される過程にRab27が関与していることを発見した。
軸索とは神経細胞から伸びている長い突起のことで、ヤリイカの軸索はヒトなどの哺乳動物と比べて非常に太い。また、ヒトは2種類のRab27を持っているのに対し、ヤリイカは1種類しか持っておらず、働きを調べるのが容易である。そのため今回の研究にはヤリイカの巨大軸索が用いられた。
メラノサイトで合成されたメラニン色素をメラノソームへ輸送するのにRab27が関与していることは既に分かっていたが、発生学的に見てメラノサイトと神経細胞は同じ由来を持つ。膜輸送においても、Rab27の関与という点でこれらの細胞に類似性が見られた。
