東北大学新聞:

有機性廃棄物の処理効率化へ

本学名誉教授の徳田昌則氏は家畜糞尿や下水汚泥、売れ残りの食品など有機性廃棄物分解装置の事業化に乗り出した。

徳田名誉教授は2001年まで本学東北アジア研究センターに所属。その後、共生資源研究所にて本事業に取り組んでいる。
日本では年間5億トンにもなる廃棄物が発生し、その内の70%近くが有機性廃棄物と言われている。通常はこれらの廃棄物は焼却や埋め立てをすることで処理されている。
ゴミ減量という観点からそれらの有機性廃棄物を資源にしようという試みもある。従来は堆肥を生成する事などが行われてきた。この方法は、幅広く行われている。
また、バイオガスを生成する方法も存在する。この方式では、家庭などから収集された大量の廃棄物を処理施設に送り、それらを細かく砕く。そして、砕いたものを微生物のいるタンク(反応槽)に入れることにより分解しバイオガスを発生させる。生成されたバイオガスは電力やガソリンの代わりなど、燃料として使われる。
また、微生物が分解できない物質は汚泥として残ってしまうが、別のタンク(堆肥槽)に入れて乾燥させ堆肥にすることで再利用が可能である。
この方式は、廃棄物の量が莫大なためタンクとして巨大な反応槽を設置できるような大きな敷地が必要になるという問題を抱えている。他にも微生物の廃棄物消化率が低い、微生物が廃棄物を分解するのに30~60日、汚泥を堆肥に乾燥させるのに60~90日という長い時間がかかる、微生物が良く働くよう反応槽の温度を一定に保たなくてはならず、大きなエネルギーが必要となってしまうなどの欠点がある。
徳田名誉教授が取り組んでいる方式では、微生物の代わりに亜臨界水を用いることでこれらの欠点を解消した。亜臨界水とは高温高圧状態の水のことである。この状態の水はイオン積が高くなり水酸化物イオンや酸化イオンが多くなるため、加水分解が起こりやすくなっている。この亜臨界水を用いると、廃棄物の分解が15分ほどで済むため大幅な時間短縮が可能となる。また、短い時間で分解できることから長く反応槽に廃棄物に入れておく必要がないため巨大なタンクも必要ない。加えて微生物を用いるよりも多くの廃棄物を分解できるため、汚泥が出ず堆肥槽が必要ない。
この方式が事業化されれば、巨大な処理施設が必要なくなるため、処理施設をスーパーやマンションなどの地下に置くことも可能となる。
この亜臨界水を用いた有機廃棄物の処理装置は現在試作段階であるが、徳田名誉教授によると来年3月にも完成し市場化されていくことになるという。

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