良質な豚肉とは
本学農学研究科の佐藤衆介教授らの研究グループは、放牧した豚と畜舎で飼育した豚の比較実験を行った。
実験はあいコープみやぎ、宮城県畜産試験場、宮城大食産業学部と共同で行った。放牧は鳴子温泉近くにある農学研究科付属複合生態フィールド教育研究センターで行い、畜舎は大崎市の宮城県畜産試験場を用いた。実験は昨年6月から約2ヶ月にわたって行い12月にデータをまとめた。
一般に、放牧豚は舎飼いに比べてストレスが少ないため、肉が締まっており、うまみも多いとされている。今回の実験で、科学的な立証を目指す。
あいコープは組合員の実験協力者に対し、放牧と舎飼いの豚肉をセットで販売。それぞれのロース、肩ロース、バラ、モモ肉について、おいしさや軟らかさなど計9点にわたってモニター調査を行った約100人の協力者から回答を得て、データをまとめた。
その結果、全ての肉において色、かおりの良さ、豚臭さの項目においては全て放牧豚のほうが優れているという結果が得られた。この特徴は、スペイン原産の高級種であるイベリコ豚と似ており、今後畜産試験場が調査を行う。
佐藤教授は家畜の日常行動について調査を行った。従来、豚は野外に生活し、日常は土を掘り小動物を掘り起こし、それらをえさにして生活している。畜舎の中で飼われている豚はそのような行動がとれないために、他の個体のしっぽや耳をかじるなどの異常行動を起こし、結果出荷時には体のキズが多くなる。今回の実験で、放牧豚は舎飼いに比べてキズが少なく、また鎮静作用を持つアミノ酸の一種であるトリプトファンの値も高いというデータが得られた。
今回の実験について、佐藤教授は「放牧は一頭あたり100平方メートルの面積で行ったが、ほとんど全ての土地が耕された。今後、耕作放棄地の放牧による再利用の提案を行っていきたい」と語り、今後は寄生虫対策などの調査を行っていくつもりであるという。
実験装置と条件および飼料
