東北大学新聞:

医学部定員増加を発表

文部科学省は11月4日、本学を含む国公私大学77校で医学部定員を増加させる計画を公表した。本学は医学部の定員を現状の100名から10名増やし、二〇〇九年度の定員を110名とする予定である。

医学部の定員の増加は、昨年政府が定めた緊急医師対策分と経済政策の基本をしめす「骨太の方針二〇〇八」で設けられた特例措置分とを受けたものがある。本学の10名の増員の内訳は緊急医師対策分として5名、特例措置分として5名となっている。定員の増加に伴い、推薦入試の受験者を地元出身者に限るとするなどの「地域枠」を設ける大学も多い。しかし、本学は開学以来の「門戸開放」の理念の尊重及び以前から地域医療の発展に力を尽くしてきたことなどから「地域枠」の設置予定はない。なお本学では、医学部の定員の増加は今年度に限らず、10年度、11年度においてもそれぞれ5名ずつの増員を検討している。
このような増員の背景には、医師不足の深刻化、さらにその影響による地域医療の崩壊がある。
臨床研修必修化とマッチング制度のため、医学部卒業後の研修先は市中病院が選択される割合が高まり、しかも都市部の病院へ集中するようになり、出身大学や出身大学所在地から離れる傾向が強まった。前述の「地域枠」において地元出身者を優遇することも、地元出身者ならその地域に残ってくれるだろうという各大学や地域の期待が大きな要因となっている。他にも医師の年代別の偏在や高齢化社会,医療の高度化など様々な要因があるため,医学部定員を増加しても即医師不足解消が見込めるとは言い難い側面がある。
本学では、地域への定着率上昇を目的とし、医学部生数名に3年次から6年次までの4年間県から奨学金を給付し、卒業後の8年間宮城県内の医療機関で勤務することで返済を免除するという独自の奨学金制度を計画している。
また、医師不足による医師の偏在には地域の偏在と専門の偏在の2つがある。各大学はそれぞれの状況にあわせて焦点を定め、独自の取り組みを行っている。前者を重視する大学では、「地域枠」の設置が例として挙げられる一方、後者を重視する大学では特に医師不足が懸念されている産科や小児科の教育内容の充実を図るものもある。本学では,既に実施している2年次地域医療体験実習・5年次地域医療実習に加え,新たに6年次における長期地域医療実習を導入することとし,更なる地域医療教育の充実を図る。

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