373号一言居士
モラトリアムという言葉をご存知だろうか。義務履行の猶予期間というのが本来の定義であるが、転じて学生などが社会に出て一人前になることを猶予されている状態をも意味する。
モラトリアム期間という使われ方をするこちらの意味である。
大学時代はモラトリアム期間の最たる例として挙げられる。これはあまりよくない意味、つまり、社会に出て働くのに十分に耐えうる年齢に達しているにもかかわらず、その責任・義務を果たしていないという意味で用いられることが多い。
しかし、大学生活をこのように解釈して片付けるのはいささか早計ではないだろうか。確かに、大学では社会に出て働くという経験は積めない。だが、大学時代にしかできないことというものも存在するはずだ。
モラトリアム期間という言葉も他の解釈ができるのではなかろうか。大学生は責任が小さい反面、望めば多くのことができ、力を蓄えることができる。社会に出る前に様々な経験を積むことができるこの期間は見方によっては大変貴重なものだ。
何に重きを置くかは個々人によって異なるはずだ。そして、それによりこれから何を学び、何を経験するかがある程度定まってくるだろう。4年という時間は短くない。新入生の皆さんにはそれぞれの「大学時代にしかできないこと」を見つけ、大学生活を有意義なものとしてほしい。
