東北大学新聞:

スプライト観測衛星打ち上げ

本学大学院工学研究科と理学研究科が共同で開発を進めてきた、スプライト現象を観測する衛星(SPRITE―SAT)「雷神」の打ち上げが1月23日に成功した。

由来は雷に伴う高層大気発光現象「スプライト」を観測することに加え、「上昇」を意味する「RAISING」。
打ち上げ後、本学理学部に設置された地上局より、コマンド送信などの運用が行われている。しかし、当初、順調に成果をあげてきたが、2月4日にシステムに思わぬトラブルが発生し、観測ができない状況に陥った。現在、計画に遅れが生じているが衛星を復旧させるべく交信が続けられている。
衛星の開発のきっかけは、2003年の第11回衛星設計コンテストという企画。コンテスト入賞により、学内で自作の衛星を設計・製作する動きが始まった。2007年5月、JAXA(宇宙航空研究開発機構)が打ち上げる温室効果ガス観測技術衛星の相乗り副衛星としての打ち上げが正式に決定。しかし相乗り打ち上げのためにはJAXAによる厳しい安全試験に合格しなければならない。打ち上げ予定日まではわずか1年3ヵ月しかなく、時間との勝負に耐えての完成だった。
衛星の目的は大きく分けて2つ、スプライト現象と地球起因のガンマ線の観測だ。スプライト現象とは、雷が落ちるとき積乱雲上空の高層大気で起こる発光現象。地上の雷に対して、宇宙雷と呼ぶ。雲の真下から発光は確認できないが、遠方から見ると、雷が落ちると同時に積乱雲の上空に柱状の発光を確認できる。これを宇宙から真下に見おろすとどんな形状をしているのか観測する。雷が発生する位置とスプライト現象が起こる位置の相互関係も確認する。また、これらの高エネルギー発光現象がガンマ線を発生させている可能性も指摘されており、ガンマ線も観測する。

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