認知症予防に期待 発症前リスク診断可能に
本学未来医工学治療開発センター・前臨床応用部門の工藤幸司教授の研究グループは、将来的にアルツハイマー病を発症する可能性のあるリスク者を見つけ出す研究に取り組んでいる。
この研究によりアルツハイマー病は未然に防ぐことが可能になるという。
アルツハイマー病は65歳以上の約4~6パーセントが発症すると言われている病気で、日本の場合、約130万~140万人が発症していると推定されている。症状としては、物忘れなどの認知障害があり、重度になると意思の疎通もできなくなり、最終的に寝たきりとなる。このアルツハイマー病は「アミロイドベータ」と「タウ」というタンパクが脳内に溜まって発症すると考えられている。アミロイドベータはアルツハイマー病が発症する約20年前から、タウは10~数年前から蓄積し始める。今までアルツハイマー病は一般的に、年齢や生年月日、簡単な計算を聞くといったテストによって診断されてきた。
工藤教授の研究グループは、脳内に存在するアミロイドベータを撮影するための化合物の開発に成功した。これにより陽電子断層撮影装置(PET)を用いて脳内画像を撮影することが可能になった。またタウを撮影するための化合物についても開発中である。アミロイドベータとタウの両方を用いることで、より精密な検査ができるようになる。
また放射能ではなく光を用いて診断する化合物と装置も開発中で、実現すれば簡単に検査をすることができ、集団検診などができるようになる。
今回の研究は、国の先端医療開発特区(スーパー特区)に採択されたプロジェクト「社会ニーズに応えるオンリーワン・ナンバーワン医療機器創出プロジェクト」の一環として行われている。
