東北大学新聞:

突撃ッ!となりの研究室

「突撃ッ!となりの研究室」第8回目となる今回は文学研究科の考古学研究室を訪問した。

川内南キャンパスの付属植物園に程近い、文系合同研究棟で日々活動している。現在、研究室は阿子島教授を筆頭に、准教授1名、院生5名、学部生20名で構成されている。埋蔵文化財調査室から准教授1名が講義を担当するなど、外部組織とも連携して教育を行っている。
阿子島教授が本学に着任したのは1990年のこと。専門は比較文化的な先史時代の研究。先史時代とは歴史が文章として現れる以前の時代を指す。日本のみならず、北米平原、ヨーロッパも研究対象としている。年代は1万数千年前の石器時代。ちょうど氷河期が終わりに近づいていた時期に当たる。
考古学研究室の前身は本学に法文学部が設置された翌年の1925年、喜田貞吉氏が設立した奥羽史料調査部に遡る。研究室は伊東信雄氏による陸奥国分寺(仙台市)の発掘調査や芹沢長介氏による旧石器時代の遺跡調査など考古学研究において大きな足跡を残した。設立当初から長い年月をかけて蓄積された資料は数十万点。その多くが片平キャンパスの考古学陳列館に保管されている。
「考古学は地道な学問なんです――」阿子島教授は語る。石器や土器など、黙して語らない膨大な資料群から当時の生活や文化を探り出す。根気の要る作業がそこには待っている。具体的には、石器の「使用痕」という微細なキズの検出により、石器がどのように使われていたかを解明する。石器の使用法を分析することで、当時の人々の活動そのものを解き明かそうという試みだ。
考古学研究には発掘調査も欠かせない。研究対象そのものを自分の手で掘り起こす作業から始まる。昨年は山形県真室川町で後期旧石器時代の遺跡を発掘調査した。このプロジェクトには学部3年生から院生までが参加し、教員とともに調査活動をする。実際のフィールドワークを通して研究への関心を高めることがねらいだ。また、多賀城跡調査研究所に学部生が参加するなど学外の交流を通して経験を積んでいく。昨年度からの川内キャンパスでの改修工事でも、埋蔵文化財調査室による発掘が行われ、仙台城の二の丸北方武家屋敷調査にも参加した。
長年の発掘調査で得られた資料により、学生は常に「本物」に触れて研究をすることができる。卒業論文を書く際も、ただ文献に当たるのではなく、実際の資料を分析することで自らの考察を深めていく。東北地方を中心に、どの時代の研究でもできることが研究室の特色だという。
最後に阿子島教授は「考古学というのは目覚しい発見もありますが、それ以上に地道なプロセスが必要になります。そのため、発掘調査などで文化財が出土したときなどの感慨は一入(ひとしお)ですね」と考古学の魅力を語ってくれた。

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