MISSION:仙台ノ他大学ヘ侵入シ学食ヲ食ベヨ
ある昼休み、川北の食堂でカレーを食べながら報道部新入部員の僕はふと思った。
「東北大学のカレーは確かに旨い。でも、他大学の学生はもっと美味しいカレーを喰らっているのではなかろうか?」
と。そう思うや否や、隣の芝が真っ青に見え始めた。
たとえ学食のカレーの味が全国どこも同じであると言われようと、溢れ出した衝動はもう止まらない。
こりゃあ、他大学に侵入して学食を食うっきゃねぇ!
他大学学食への侵入決行日である木曜の朝。これから待ち受けるであろう幾多の大学のカレーに舌を惑わされないが為、母校のカレーの味の再確認。うん、やはり東北大学のカレーは旨い。
数人の同士と共に僕が最初に向かったのは、八木山にそびえる東北工業大学。近代的でアーティスティックな建物の数々。実に綺麗なキャンパスである。学食もなかなかに広い。S先輩は、五目ラーメンを頼んだ。僕と同じ新入部員であるKはかけそばを、Aは焼肉丼を頼んでいた。なかなかに美味しいらしい。
そんな3人を片目に僕とN先輩は東北工大カレーを食べる。
と、次の瞬間
「!!この食感は!?」
サイ○ミュ的な波動を感知し、その美味に酔いしれる僕。
そう、マッシュルームがカレーに入っていたのだ!
キノコが入るだけでカレーはここまでプチブルジョアな食べ物に変わるのか。これは是非とも一言カードに書かねばなるまい。
東北工大の次は宮城教育大学へと侵入した。東北工大とは打って変わって、こちらは緑の多い閑静な雰囲気を漂わせた大学である。
が、ここで問題が発生。
「食堂の場所、忘れた・・」
どうしようかと迷った挙句、学生窓口に食堂の場所を聞くことにした。
しかし単に尋ねるだけではつまらないということで、青森辺りの方言混じりの私服高校生になりきってみようという悪ノリを他の部員達と計画し、敢行してみた。
以下はその一部始終である。
僕「あんのぉ~、青森から来た高校生なんだげんちょも~、食堂さ行きたいんだけんど~、」
事務員A「高校生?わざわざ遠いところから来たんだね~。あ、丁度良い!ウチの事務員の中にも青森県出身の人がいるから今呼んでくるから今呼んでくるね!ちょっと待っててね!」
僕「あ、その、えと・・・」
事務員B「はじめまして!君も青森県出身なの?私もなんだ~、よろしく!」
僕「は、はずめますて~」
マズい、実にマズい。青森県のローカルネタを振られたら確実にアウトだ。いや、青森に一度も行ったことが無い東京人である僕のエセ青森弁は既にバレてしまっているやも分からん。そう思った僕は、なんとか機転を利かせてその場を逃れた。嘘は体に毒だ。改めてそう感じた。ちなみに、悪ノリを計画をした2人は僕が苦しんでいる際、他人のフリをしていた。ドMである僕には好都合だったわけだが。
話を学食に戻そう。宮教ではメロンパンがオリジナリメニューとして存在した。早速注文する僕達。もちろんカレーも一緒に。メロンパンは文句無しに絶品だった。出来たてで温かい上にビックリする程のカリモフ具合。しかも中にはカスタードが入っているという嬉しい誤算。これで120円は安い、安すぎる。これを食う為に宮教大生になっても構わないとさえ思える。カレーの方は、東北大学と同じ味であった。当たり前といっちゃ当たり前だな、と思った次の瞬間
「!!この食感は!?」
シロッ○の波動を感じる時の様なこの不快な食感。
そう、玉ねぎの一番外側の皮が入っていたのだった。宮教のおばちゃんは侮れない。
ラストは東北学院大学。が、その日は学院大学生総会で食堂が閉まっていた。おそるべし東北学院大学。僕達が来ることを察知して、事前にシャットアウトするとは。流石、「東北の慶応」の名は伊達ではない。
最後の東北学院大学は残念だったが、今回の企画はなかなかに面白かった。他大学に入った時に感じるあのアウトサイダー感、あれは格別だ。カメラを肩に下げ、余所者感丸出しの僕に向けられる沢山の視線。思い出すだけでよだれが・・。
是非東北大生の皆にもあの快感を味わってほしいものだ。
