突撃ッ!!となりの研究室
毎回1つの研究室を訪れる「突撃ッ!となりの研究室」、今回訪れたのは、薬学部生活習慣病治療薬学講座平澤典保教授の研究室である。
この研究室は教授1名、准教授1名、助手1名、学生10名が所属する昨年度新設された新しい研究室である。生活習慣病の研究と共に、よりハイレベルな薬剤師の育成を目指した大学院生の教育に力を入れている。
欧米では医者と薬剤師がチームとして治療にあたっている。しかし、日本では元来、薬剤師の仕事は薬の副作用の有無を調査し、医者の出した処方箋に従って薬を出すことであった。それを踏まえ、この研究室では医療チームの一員として医者に提案することができる研究と実務を積み重ねた人材の育成を図っている。そのために、助教授と助手が大学病院で薬剤師として働きながら患者と直に接している。そこで見つかった問題を研究室に持ち帰り動物実験などを通して原因解明を進めるとともに、学生の教育にも生かしている。実際に助教授が主治医と相談し、投与する薬を変えたところ、副作用と思われる症状が治まったケースもある。
具体的な研究については、教授、助教授ともに本講座配属前からの研究を生活習慣病の治療に役立てるという立場をとっていて、平澤教授はアレルギーを引き起こす物質であるヒスタミンと肥満の関係など、平塚助教授は遺伝子配列を調べ一人一人に一番合った薬を投与する個別化医療の確立に尽力している。先の副作用の例も日本人の10%に当てはまる酵素配列の違いを踏まえた上での提案だったという。
生活習慣病はもちろんのこと、医師不足、医療ミスなどこの研究室が寄与することのできる問題は多くある。新しい薬剤師の育成は、薬学部6年制コース設置の目標である病院、薬局での現場研修を積んだ人材を育てるという面からも積極的に進めるべきものだ。今後の活躍に期待したい。
