メラノソームへの輸送機構解明
本学大学院生命科学研究科の福田光則教授らの研究グループは、メラニン合成酵素を運ぶ新たな分子を同定した。
メラニンはメラノサイトと呼ばれる細胞でメラニン合成酵素により合成され、メラノソームという小胞(細胞内の袋)に蓄えられている。
またメラニンには私たちの髪や肌を黒くする役割があるが、それはメラノサイトでメラニン合成酵素によって合成されたメラニンがメラノソームで髪や肌の細胞に運ばれることで起こる。核の近くでメラニン合成酵素が蓄えられ成熟したメラノソームが、細胞内骨格と呼ばれる部分を通って輸送される。ちなみに、メラノソームによる輸送が上手くいかなくなると、色素異常という肌や髪が白くなる病気になる。
細胞内骨格を通るメラノソームによる輸送機構は解明されてきたが、メラニン合成酵素がメラノソームまで運ばれるシステムについては解明されていなかった。メラニンをメラノソームで合成するためには、メラニン合成酵素をメラノソームまで輸送しなければならない。
今回教授らは、Varpというタンパク質がメラニン合成酵素の輸送に関与するということを発見した。VarpはRab38という結合タンパク質と複合体を形成している。マウスの培養された細胞(メラノサイト)を用いVarpを欠損させたところ、メラニン合成酵素が消失した。これはVarp欠損により合成酵素のメラノソームへの輸送がうまくいかなかったためと考えられる。
今回の発見は、メラニン合成酵素の輸送を抑えることにより、美白や黒髪の維持を可能にさせる創薬への応用が期待される。
