加齢医学研究所 AARPと学術協定を締結
本学加齢医学研究所は米国の高齢者NPO「AARP(エイ・エイ・アール・ピー、旧全米退職者団体)」と包括的学術協定を締結した。
AARPが日本の大学と提携するのは、本学が初となる。超高齢社会を見据えた「スマート・エイジング・イニシアチブ」を共同推進することが主な目的。高齢期を「知的に成熟する人生の発展期」と捉える「スマート・エイジング」の考えのもと、研究活動は行われる。実際の研究では、川島隆太教授などが中心となって開発した「学習療法」も取り入れられる。
AARPは4千万人以上の会員を有する世界最大の高齢者NPO。米国企業の定年廃止を定める「雇用における年齢差別禁止法」の制定を米政府に働きかけるなど、米国の高齢者政策に大きな影響力を持つ。米国でも高齢化は深刻な社会現象になっており、長寿大国である日本の研究機関が学術的な提言をすることは大きな意味を持つ。
目標達成の第一歩として、今秋から約半年間にわたり「学習療法」のパイロットテストを実施。ワシントンDC郊外にある老人福祉施設において、軽度の認知症患者を対象とした実証実験を行う。具体的には、簡単な読み書き・計算で脳を活性化させる学習療法を現地で行い、日米における認知機能改善効果の共通点や相違点を調査。米国人への学習療法の有効性を実証し、米国における介護予防政策への提言を目指す。日本で開発された認知症予防策が米国で実施されるのは初めての事例となる。
学習療法は国内において1万5千人以上に適用され、大きな成果を上げている。読み書き・計算など簡単な学習で脳を活性化させるという方法で、医薬品に頼ることなく認知症の症状改善に数多く成功している。米国でのパイロットテストでは米国人向けに修正されたテキストが使われる。
今回、学習療法の有効性が認められれば、加齢医学研究所が独自に開発した学習療法の普及促進が可能になる。様々な国や地方に効果の実証をアピールすることで、超高齢社会における諸問題の解決に寄与することが期待されている。学習療法の実証を足掛かりに、今後も様々な研究が展開される。
