西友戦線 あのオウム貝を撃て
八幡の西友。その入り口に響き渡るあの声。
「オウムガイさん、オウムガイさん、オウムガイさん、オウムガイさん・・・・・」
とあるゲーム機から発せられる幼さの残る無邪気な声。
八幡の西友。その入り口に響き渡るあの声。
「オウムガイさん、オウムガイさん、オウムガイさん、オウムガイさん・・・・・」
とあるゲーム機から発せられる幼さの残る無邪気な声。連呼される「オウムガイさん」。何が楽しいのだろう?たとえお腹が減った赤ん坊が母親を呼ぶとしてもあのようにしつこくはあるまい。放置しておけばいつまでも呼び続ける。もはや狂気の沙汰だ・・・。
「マリンマリン」というゲームでお魚のお友達を増やすものらしい。1プレイ100円。そして、八幡の西友ではJ(仮名)というプレイヤーがお魚の数・種類共にトップに立ち、お魚の数は2376匹(6月21日現在)に上る。そして、Jのお友達のほとんどが「オウムガイ」である。つまり、ゲーム機が1位であるJの水槽を紹介していると必然的に「オウムガイさん」を連呼することになる。
私は考えた。Jを上回る数のお魚をお友達にすればあの「オウムガイさん」を止めることができるのではないかと。そして、私がJに挑むことを述べると部のみんなは生暖かい目で見つめてくれた。
決行当日。日曜日のお昼。集まったのは私の他に、3年生の0、2年生のC、1年生のE、その他にも後から何名か駆けつけてくれるらしい。「オウムガイさん」に憤っていたのは私だけではなかったようだ。
100円を入れ、ゲーム開始。画面が変化した直後、
「カードを入れて僕を変身させてね」
とか言い出した。主人公であるミナミハコフグが様々なお魚に変身するらしい。どうしてウミガメとかスズメダイに変身するのか謎ではあるが・・・。
変身したものと同じ種類のお魚に接触し、その後のミニゲームに勝つとそのお魚がお友達になってくれる。制限時間内にそれを延々と繰り返す。そうして、お魚の数を増やしていくという仕組みである。
1プレイ目。まだルールになれず、お魚のお友達は3匹しかできなかった。Jの2376匹にはほど遠い。ゲーム終了後、ゲーム機からメモリーカードを作るには別料金で300円が必要とか流れてきた。メモリーカードが無いと今回できたお友達を次回には引き継げないそうだ。人の足元を見た汚いやり口である。やむをえず、メモリーカードを買うと君の名前は「あずき」だとか勝手に決めてきた。どこまで横暴なんだか・・・。
2、3プレイと徐々に回数を重ねていくうちに段々と慣れてきたのか、1回のプレイで7~10匹のお友達を作ることができるようになってきた。しかし、このゲーム、お魚を捕まえるのとミニゲームでかなりの激しい動きが要求され5回もやれば相当疲れる。日頃全く運動をしていない私や3年生のOなどは豚のように息をはぁはぁと切らしている。それでもまだ合計は3桁にすら及ばない。4桁・2000匹以上であるJは遥か遠い。
10プレイ前後で、ある事に気づいた。後ろにいて私たちを見つめる子供をはじめとして周りの視線が痛いのである。1時間以上、大きなお兄ちゃんたちが「マリンマリン2」をやっていたら確かに怪しい。そう言えば、さっきのお婆さんもその前の男の子も僕らを見てたっけ。まして日曜のスーパーの入り口。人通りも多く怪しさ倍増であった。やもなく、私たちの体力が尽きたこともあり休憩をいれるのであった。
20分程度の休憩の後、ゲームを再開した私たちであったが、結局、私たちの軍資金より先に体力とやる気が尽きた。延べ3時間、3000円近くを費やしランキングでは3位に入った。しかし、捕まえたお魚は183匹、20種類。数においてはJの10分の1にも満たず、種類においても100種類以上の差をつけられた。
J、恐るべき奴。彼(女)のお財布が心配だ。
