東北大学新聞:

08年度漢検研究奨励賞で  マシュー・ジスクさんが優秀賞

日本漢字能力検定協会主催の2008年度漢検研究奨励賞で、東北大学大学院文学研究科のマシュー・ジスクさん(25)の論文が優秀賞を受賞した。

中国から伝わった漢字が和語の持つ意味どのように変化させたかを、日本や中国の多種多様な古典文献を読み込んで検証し、応募6点中で最高位となった。
論文のテーマは、日本語の和語に対する漢字の影響。日本語における動詞の意味変化に漢字の訓が影響していることを、「うつす」という具体的な動詞を例に論じている。日本語に原初からあった「移動する」という意味の「うつす」という言葉に、中国から伝わった漢字の「写」という字が当てはめられた際、「うつす」に「写」が元々持つ「書き写す」というそれまでの日本語には存在しなかった新しい意味が加えられたという。その新しい意味は、始めは今昔物語や仏教説話集など漢文訓読に携わる文章の中でのみ見られるだけであったが、やがて中世から室町、近世と時代を経るにつれ次第に日本語として定着していった、と説明する。
昔から漢字に興味を持っていたというジスクさんは、アメリカの高校で日本語と比較文学を学ぶなかで、漢字一つ一つが持つ意味や美術性に関心を持ったという。高校卒業後、03年に愛知県、継いで04年10月から東北大文学部に一年間留学し、本学の大学院に再留学した。4月から博士課程に進み、将来は専門的な研究をする傍ら、日本語に興味を持つ外国人に日本語の面白さや奥の深さを伝える仕事をしたいと語る。

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