東北大学新聞:

チタニア光触媒シート開発

本学電気通信研究所の玉田薫教授と庭野道夫教授が、直接接触しなくとも、周囲の有機物を分解できる、チタニア光触媒シートを開発した。

光触媒の原理は、紫外線が当たることでチタニア表面で電荷分離により電子およびホールが生成する。これらが周囲の有機物と結合し、光分解が生じる。これにより汚れなどの有機物がなくなるため、今では住宅建材や空気洗浄機に応用されている。
今回開発した光触媒シートは、従来型の粉末状とは異なり、ナノチューブ状にしたことが特徴である。従来ならば光触媒に接触している有機物しか分解できなかったが、今回の光触媒では、接触をしていない、10倍もの面積の有機物が分解することを確認した。
接触していない有機物を分解できる仕組みは、チタニア表面が直接有機物と反応するのではなく、まず大気中の水や酸素などと結合、活性ラジカルを生成し、それらが拡散して別の分子と反応するというもの。この非接触型光触媒シートは従来から知られてはいたが、電子の発生量が少なく、際立った反応を示せていなかった。今回の成果は、従来の光触媒が有機物との接触面を増やすために粉末状に作られていたのに対し、新たにナノチューブ状にしたことで、チタニアのアナターゼ結晶の結晶性および電子の移動度が向上したことが主な要因と考えている。電子の移動度の向上が、電子とホールの再結合を起こりにくくし、電荷分離の効率を上げた。その結果、活性ラジカルの生成量が増え、非接触型の触媒活性が高くなったのではないかと玉田教授は語った。
今回の発明で、従来品から、より高性能の住宅建材への置き換えが期待できるほか、非接触でも効果が表れるため、これまでは性能不足で実用化が進んでいなかった半導体や医薬用具への適用が期待できると玉田教授は付け加えた。

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