東北大学新聞:

総長論文問題 横山准教授へ改めて取材依頼

学友会報道部は6月19日19時ごろ、07年論文の第1著者である横山嘉彦准教授に対し「大型金属ガラスの作製方法」の解説をお願いするため、彼の研究室へ依頼文を置いてきた。

報道部は5月28日にも同じ内容の依頼文を、学生支援課を通して横山准教授へ提出したけれども、依頼文が行方不明。支援課は「依頼文を取り継いだ」といい、横山准教授は「依頼は来ていない」という。本紙記者が改めて依頼文を差し出すと、横山准教授は「正規のルートである広報課を通して依頼してください」と受取を拒否。「論文の中身が分からないので著者に直接依頼するのは、正規のルートではないのですか」との記者の質問に対し「それは違います」と横山准教授は答えた。「これ以上、私の時間を邪魔しないでください」と准教授がいうので、記者は研究室に手紙を置いて退室。後日6月29日、報道部は再々依頼文を、広報課を通して提出した。
07年論文は「キャップ鋳造法により直径30mmの金属ガラスを作製した」ことを報告したもの。第1著者は横山准教授で、第2著者は井上総長。08年明けに大学がまとめた「追加報告書(08年1月31日付)」(通称)では、「問題とされる論文4本のうち2本の再現性を担保する」として07年論文が挙げられた。
09年4月28日、梶谷剛教授はこれを批判する論文(通称、梶谷論文)を、Letters to the Editor制度を使い日本金属学会を通してMaterials Transactionsへ投稿した。梶谷論文は http://arxiv.org/abs/0905.0172(コーネル大学図書館内)で公開されている。梶谷教授によれば、梶谷論文の審査結果について7月1日現在、日本金属学会から返事はない。4月28日に論文が受理された際、日本金属会から「審査の結果が出るのは、約35日後(第2校閲者へ校閲依頼する必要がある場合などは2カ月後)」と連絡があったという。
また、審査状況を日本金属学会HPから照会したところ、6月30日時点で「審査中」だと分かった。
前年度に引き続きMaterials Transactions編集委員長は、本学大学院工学研究科の副研究科長、原信義教授が務めている。前年度の08年9月4日、大村教授と高橋客員教授はLetters to the Editor制度を使い日本金属学会を通してMaterials Transactionsへ井上総長らに質問した。08年12月12日、これに対し原編集委員長は「質問が科学的でない」として「掲載不可」の結果を知らせた。
Materials Transactionsの論文審査について、当誌のHPで次のように定められている。「最初の校閲者(第1校閲者)が『掲載不適当』、またはそれに近い校閲結果を出した論文については、担当委員は必ず第2校閲者に校閲を依頼する。なお、第2校閲者と第1校閲者の意見が異なる場合には、さらに第3校閲者に校閲を依頼する。編集委員会は2カ月に1回開かれ、各担当委員からの審査報告を審議し、会誌に掲載の可否を決定する。特に、担当委員から『掲載不適当』の報告が出された場合は、慎重に委員会においてその判定理由が妥当かどうか審議する。委員会が掲載不適当と決定した論文は、その理由を付して著者へ返却する」。

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