東北大学新聞:

鉛を使わないセラミックス開発

本学多元物質科学研究所の村松淳司教授・蟹江澄志准教授と学外メーカーとの共同研究チームは圧電セラミックス用ニオブ酸アルカリ金属塩粒子の全く新しい大量液相合成法を開発した。

これまで、圧電セラミックスは鉛系材料を用いて生成されていた。しかし、この材料では有害な酸化鉛が多く含まれることになり、廃棄の際に海の中で有機物と混ざるなどすると環境汚染を引き起こし危険である。そのため全く鉛を使わない材料の開発が求められていた。近年では比較的良好な圧電性を示す無鉛系セラミック材料として、ニオブ酸アルカリ金属を用いた圧電セラミックスが注目されているが、従来の方法では、ナノレベルで原料を均一に混合することや結晶子の大きさや粒界を厳密に制御することは極めて困難であり、そのため鉛系材料を用いたものと比べて圧電特性や強度などが低下してしまうおそれがあり、生成された圧電セラミックスの再現性が悪くなる。つまり、同様の特製を持った製品を作ることができなくなってしまう。
そこで村松教授らのグループはニオブ酸ナトリウム・カリウムを特定の比率で組み合わせ均一なサイズと特殊な形状を有する二次粒子を用いることで問題を解決した。新しく開発された材料の合成法ではニオブ含有溶液とナトリウム、カリウムを含む溶液とを混合し100度付近で1日程度放置しその後さらに200度程度で数時間かけて化学反応をさせた後、粒子を回収する。生成された圧電セラミックスは従来のものと比べてまだ、圧電性が3分の1~4分の1程度と低いという点が挙げられる。これはセラミックスを重ね合わせ積層化するなどの方法で解決できるという。
今後の研究課題として、村松教授は材料の生成に用いるナトリウムとカリウムの混合比率がまだ決定されていないのでそれを決定すること、合成時の温度やなぜ二段階に分けて合成を行うとうまくいくのかを挙げた。村松教授はこれらの問題を解決するのに3年かかると見ており、実際に無鉛圧電セラミックスが実用化されるのは10年ほどかかるという。

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