東北大学新聞:

開国以前の日露関係に新たな視点 東北アジア研 史料集を発行

本学東北アジア研究センターが一八~一九世紀の日露関係に関する史料集を発行した。この史料集は非売品となっており、全国の大学図書館、各種研究機関、また日露研究を行っている個人・団体に発送されている。

同センターでは二〇〇〇年に「前近代における日露交流史料の研究プロジェクト」を発足させ、江戸時代を対象とした日露関係の研究を行ってきた。今回発行された「ロシア史料にみる一八~一九世紀の日露関係」はこのプロジェクト研究の成果をまとめたもので、現在第1集~第4集まで刊行されている。
このプロジェクトは寺山恭輔准教授が代表となり、日本史研究者とロシア学研究者が協同して研究を行っている。これまでの日本史研究において前近代の日露関係は日本語史料のみで研究されてきた。しかし、このプロジエクトではロシア側研究者の協力の下、ロシア語史料から見た日露関係という視点を組み入れ、日本とロシア双方から見た日露関係を研究。翻訳したロシア史料と日本語史料を比較検討することにより、両国の歴史において相手国の存在がもつ意味を再検討している。
平成16年に発行された第1集では 一八〇〇~一八一五年の日露関係を取り上げており、遣日使節であるレザーノフ関係の史料を集約している。また今年度発行の第4集ではレザーノフ関係の新たな資料とともに日本人漂流民を取り上げた。来年度には第5集が発行され、日本側の通商拒否で憤激したレザーノフが部下に蝦夷地襲撃させた事件を扱う予定である。
各史料集の監修を務めている、同センターの平川新教授はこの史料集の学術的意義について、「これまでほとんど知られていなかった大量の日本関係ロシア史料の翻訳により、開国以前の日露関係を双方向から研究できるようになった。今後飛躍的に研究が進展するだろう」としている。

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