東北大学新聞:

クビキレガイモドキを発見  環境省絶滅危惧Ⅰ種 宮城県塩釜市で

本学生命科学研究科鈴木孝男助教らの研究グループが9月に行った宮城県塩釜市浦戸諸島の野々島における調査で、環境省のレッドリストにおいて絶滅危惧Ⅰ類に指定されているクビキレガイモドキ(イツマデガイ科)が発見された。この発見は北海道以北を中心に分布していたクビキレガイモドキの生息確認範囲(南限)が広がったことで注目されている。

クビキレガイモドキは体長約5mmの巻貝で、潮上帯と呼ばれる海岸の汀線の上部に生息する。生息環境は非常に限定されており、干潟の自然環境が豊かであることが重要だ。護岸工事など人の手が加わった干潟では生息できない。
国内の主な生息地は北海道。宮城県内では今回の発見の他に3か所で生息が確認されている。
今回の調査は、塩釜市の「NPO法人フラワーアイランド野の島」が主体となり、東北学院大の宮城豊彦教授らと合同で行われた。野々島だけではなく、浦戸諸島には豊かな自然環境が保存されており、クビキレガイモドキの他にもレッドリストに指定される貝類が発見されている。
干潟調査は、干満差が大きく、日中に大きく潮が引く、春から夏にかけて行うのが一般的である。しかし、今回は、干満差が小さく日中はあまり潮が引かない秋の調査ということで、「クビキレガイモドキなど、底生生物の好みそうな場所に見当を付けて探した」と鈴木助教は語る。
クビキレガイモドキは環境省の他、青森県のレッドリストにも登録されている希少種であるが、現在宮城県のレッドリストには登録されていない。鈴木助教は宮城県のレッドリストに登録することが目下の目標だとしている。
また、鈴木助教は今回のような干潟調査のほか、一般の人々が干潟の生物に触れ合うことができるようにガイドブックの編纂に携わるなど、干潟調査を一般に広めるための活動も行う。今後の研究活動について鈴木助教は「クビキレガイモドキを県のレッドリストに掲載するほか、人々の干潟への理解を深め、その環境保全を考えていきたい」と語った。

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