東北大学新聞:

大学の対応 なお疑問 教授、来年度「自粛」解除か

7月2日、学友会報道部は、06年6月の科研費による外国出張中の暴行を裁判で認定された国際文化研究科教授に対する大学の対応を問う9項目の質問を総務部広報課を通して行った。大学は7月30日付回答で、質問項目ⅦとⅧついては把握していない、それ以外は既に回答済みとしている。

報道部は事実関係を精査の上、回答を不服として、11月5日、再質問を行った。再質問は前質問状の質問番号Ⅰ~Ⅸに沿ってなされている。前質問と回答の疑問点の概要を次に挙げる。
Ⅰ【質問】本紙369号で、石幡直樹国際文化研究科長(当時)は、大学の方針に従い民事不介入の原則から、教授を処分しない旨を答えた。一方07年10月5日付の文書で、石幡科長は教授に対し「国立大学法人東北大学職業就業規則(平成16年4月1日規第46号)」第50条に基づき文書で注意していたことが、教授の提出した裁判資料(平成18年(ワ)1123号事件の乙第54号証の2)より明らかに。
【疑問点】石幡科長は教授に文書で注意をしていたにも関わらず、処分しない旨を答えており、矛盾する。
Ⅱ【質問】同研究科で起きたセクハラ事件の際、高裁判決(00年7月)による事実関係の認定を承け、被告助教授の懲戒免職処分を臨時評議会が全会一致で決定した経緯がある。「民事不介入」は前例と矛盾している。
【疑問点】係争中の取材に対し石幡科長は「判決が確定してから検討する」としていた(本紙365号)。判決後の取材では、処分しない理由として一転「民事不介入」を繰り返した。08年4月から同年9月までの半年の間に「判決を参考にして判断」から「民事不介入」への方針転換があったのか。
Ⅲ【質問】係争中、教授は目的を偽って研究科の女子留学生(当時)を使って再現写真を撮り、学生に無断で37枚を裁判所に提出した。それに対し彼女はFAXで大学に訴えているという。本紙365号で、石幡科長は「被害者や関係者からの訴えがない以上調査はできない」と報道部の取材に答えたが、彼女の訴えを承けて大学は調査したのか。
【疑問点】留学生に無断で裁判所に写真を提出したことを、教授自らが尋問で認めている。またその後、教授提出の裁判資料(乙第40号証)の中で、教授自身が一連の行動で彼女を傷つけ彼女が憤慨していることも認めた。教授の行動は、「国立大学法人東北大学におけるハラスメントの防止等に関する規程」第2条の「教育研究ハラスメント」、すなわち「教育研究における優越的な地位等を利用した不適切な言動による人権侵害行為」に該当すると考えられる。事実関係を教授自らが認めているにもかかわらず、大学が調査しないのは不可解である。
Ⅳ【質問】原告(被害女性)は折原守理事と石幡科長に書簡を送り科研費(基盤研究B)による出張中の暴行について対処を求めている。
【疑問点】研究科が本件に回答した事実はない。大学は科研費による出張中の暴行事件をどう考えるのか。
Ⅴ【質問】教授が07年度後期から09年前期まで過去2年間にわたり、全学教育科目と大学院科目の講義を「自粛」しているのは事実か。事実ならば、理由は。
【疑問点】回答済みというが回答を得た事実はない。
Ⅵ【質問】教授が提出した裁判資料(乙第53号証の4)によれば、教授に宛てた石幡科長のメールから、教授は自主的に「自粛」したのではなく、事実上大学の「命令」に従ったことは明らか。石幡科長のメールは、科長が荒井克弘学務審議会委員長(当時)からの「要請」を承け、副研究科長、科長補佐、事務長と協議し、08年4月から1年間授業を自粛するよう教授に働きかける内容だった。授業不履行の期間中の教授の勤務実態を把握・監督するなど、教授による不祥事の再発防止策を講じてきたか。
【疑問点】①回答済みというが、回答を得た事実はない。②09年10月5日の取材で研究科教務係は、教授は07年度後期~09年度後期の2年半に渡り講義をせず、うち08年度~09年度の2年間を「自粛」しているとした。教授の授業不履行はどのような手続きで決められたのか。③荒井委員長が全学教育科目の「自粛」を求めたが、大学院科目の「自粛」までもが決まった経緯は。④研究科多元言語文化社会論のシラバスには、「講座全教員」の担当とする授業科目があり、「自粛」していないとも読める。授業に参加していない場合、敢えてそう表記した理由は何か。⑤授業不履行の期間中、給与と研究費の全額が支払われているのか。⑥教員が授業自粛を申し出れば教育の義務から免れるのか。⑦10年度から教授の授業再開を決めた経緯は。
Ⅶ【質問】研究室のFAXを裁判対策に利用していたことが、教授提出の裁判資料(乙第2号証の2)より明らかになった。「国立大学法人東北大学職業倫理規程(平成16年4月1日規第58号)」第3条第2項には、職員たるもの公私混同をせず、職務や地位を私的目的に用いてはならないとある。
【疑問点】把握していないのなら、事実関係を確認し、所見を提示すべき。
Ⅷ【質問】教授のブログ上の複数のバナー広告から、恒常的に広告収入を得ていたことが疑われる。大学は兼業許可を与えているのか。
【疑問点】①把握していないなら、事実関係を確認し所見を提示すべき。②教授のブログは研究科公式HPとリンクで通じているが、ブログに出会い系サイトの広告が掲載されたこともある。それは主に白人男性とアジア人女性の大人の交際を斡旋するもので、性的な内容と人種偏見を含む。
Ⅸ【質問】学生保護の観点から再発防止にどのような対策を講じているのか。
【疑問点】回答済みというが回答を得た事実はない。

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