東北大学新聞:

378号一言居士

378号の一言居士。

1973年ときいて、一体どんなことを連想するだろうか。ちなみに筆者の父親に聞いたところ、オイルショックだそうだ。しかし筆者はこの年はやはりなんといっても、日本で初めて違憲判決が下された年だというだろう。
事件は、被告Aさんが実の父親を殺害したことから始まるのだが、捜査が進むにつれAさんは父親から性的暴行を長年にわたってうけ、妊娠や出産、中絶までさせられていたという、筆舌に尽くしがたい苦痛をうけていたことが発覚する。このことから、被告Aさんが実刑に服する必要があるとは言い難いといえる案件であり、裁判でもそのように考えられていた。しかし尊属殺人重罰規定がある限り、執行猶予を付けることができなかったのである。
一審は違憲判決が下されたが、二審は合憲との判断がなされ、最終的に判断は最高裁に委ねられた。最高裁はこれ以前に、尊属殺人重罰規定に対し、合憲との判断を続けてきていた。
そして1973年4月4日、尊属殺人重罰規定に違憲判決が下された。一人の人間を救うために法律が変わったのである。これは法が何のために存在し、どうあるべきかを明確に示した事件であるといえる。
さて今年の9月に誕生した鳩山内閣もついに本格的な国会論戦に入っていく。財政などかかえる問題は多いが、是非国民第一の法律を作っていってほしいものである。

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