東北大学新聞:

新しいナノ溶接技術を開発 ジュール熱で極細線の自発的な溶接が可能に

本学大学院工学研究科の燈明康成准教授の研究グループは、直径1ミクロン以下の金属極細線同士の接触部に電流を付与して発生するジュール熱により、接触部を溶解、凝固し、細線同士を自己完了的に溶接する新しい手法の開発に成功した。また、一定電流の付与下で自発的に溶接過程が進行する溶接条件を規定するパラメータを決めることで、当該溶接手法の確実性を高めた。2007年に大気環境下での溶接には成功していたが、今回真空に近い走査型顕微鏡内で同じ条件による溶接に成功し、その溶接過程の詳細な観察が可能となった。

ナノ/マイクロ材料が持つ優れた特性を十分に活用する為にはそれらの材料を自在に接合、切断する手法の確立が必要不可欠。これまではヒーターによる加熱や高密度電子ビームを用いた溶接技術などが研究されてきたが、複雑な個所の溶接が困難であることや溶接過程の制御が難しいことなどいくつかの問題があった。今回確立された手法は接触した金属極細線に予め設定された大きさの電流を流し続けることで発生するジュール熱により、金属極細線同士を溶解する過程と凝固し一体化する過程を連続的に行うというもの。極細線同士の接触部はナノレベルの微小な突起の集合体であることから、電流を付与すると突起部が局所的に高温になり溶解する。これにより微小な突起が消失し、高温の部分が無くなることで溶解部が自発的に凝固する。
この自己完了型のナノ溶接技術では溶解部を凝固させるための操作を必要とせず、大型の機器も使用しないため、従来の溶接手法と比べ、より高確度で細かい個所での溶接が可能となる。今後この手法は異種の極微小金属同士を接合することにより得られる極微小熱電変換素子や、電磁気素子など様々な機能を有する極微小デバイスの開発への応用が期待されるという。

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