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応用物理学会第8回プラズマエレクトロニクス賞 寒川誠二教授が受賞

本学流体科学研究所寒川教授が応用物理学会第8回プラズマエレクトロニクス賞を受賞した。寒川教授の専門は超低損傷ナノプロセス工学。今回受賞した研究はプラズマプロセスにおける照射ダメージをモニタリングするオンウエハモニタリング技術に関する研究。従来ブラックボックスであったプラズマプロセスにおいて世界で初めて定量的且つ簡易にプラズマ損傷を測定できる点が高く評価されての受賞である。

寒川教授が研究しているプラズマプロセスにおける照射ダメージをモニタリングするオンウエハモニタリング技術とは半導体素子などを微細加工して作る際の基板へのダメージを定量的に計測する技術である。現在半導体素子などは微細化が進み、加工の際にはプラズマによりエッチング(表面を削る過程)が行われている。しかしプラズマはエネルギーが高い紫外線を放出するためそれを受ける基板は肌が日焼けするのと同様にダメージを受けてしまう。そして現在のナノスケールの微細なデバイスは、そのダメージが製品としての質を劣化させてしまう可能性がある。また今後、半導体デバイスに応用されていくであろう生体材料や有機材料は更に紫外線に弱いため、そのダメージ蓄積をリアルタイムに計測することはとても重要になってくる。
今回寒川教授が開発した装置は数種類のセンサを用いてプラズマによって基板上に飛来する電荷を帯びたイオンや紫外光を測定、それをもとに基板へのダメージを計測している。また、計測はウエハ上でリアルタイムに可能である。これにより従来、勘や経験に依存していたプラズマプロセスにおける照射ダメージによる製品への影響が数値化され、より高精度なプラズマ加工の実現が期待される。
寒川教授がこのプラズマ照射ダメージ計測の重要性に着目したのは本学教授に着任する約10年前。当時はまだ半導体素子も現在のものに比べて大きく、誰もわずかなプラズマ照射ダメージが重要になってくるとは考えていなかった。しかし寒川教授は日に日に微細化していく半導体素子の未来図を予測し研究を開始、10年後の今日、その重要性は周囲から認識された。
寒川教授は自らの研究を振り返って「世の中の人が必要と思う前から研究を始めるスタンスはとても重要だと思う。また、こうした類の基礎研究は企業では難しく大学でしかできなかった」と語った。今後はプラズマ照射ダメージを計測すると同時に装置にフィードバックして自動的に装置を調整できるようにし、高精度なプラズマ加工を実現する技術に仕上げていく方針。

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