特集 突撃ッ!となりの研究室 第14回 「マテリアル・開発系 環境科学研究科」
毎回一つの研究室を取り上げ、紹介する特集「突撃ッ!となりの研究室」第14回。今回の訪問先はマテリアル・開発系、環境科学研究科の丸山研究室。丸山公一教授、吉見享祐准教授の二人にお話を伺った。
丸山研究室では環境負荷、特に熱機関による二酸化炭素排出の低減を支える材料研究を軸として行っている。熱機関やプラントでの二酸化炭素の発生を抑えるためには、大きく次の二つの方法が挙げられる。一つは太陽エネルギーや水素による発電、自動車に関して言えばハイブリッド車や電気自動車など、化石燃料に頼らないエネルギーを利用する方法。もう一つは熱効率を上げたり、質量を軽くしたりして、消費されるエネルギーを小さくする省エネルギーを目指す方法。この研究室では特に後者を指針としている。
具体的には、ニッケルに代わる、火力発電プラントなどの高温に耐えられる新しいタービン材料の開発や、非常に比重の軽いマグネシウム合金の高温強度向上を狙った研究などを行っている。火力発電所や自動車のエンジンなどの熱機関は二酸化炭素排出の最も大きな要因である。しかし高温材料の開発により、熱機関をより高い温度で運転することが出来ればエネルギー効率の上昇が見込め、二酸化炭素排出量の減少にも繋がる。「将来、エネルギー密度が高い石油が枯渇すれば、石炭などエネルギー密度の低いもので代用するしかない。そこで、現在の生活レベルを維持するためには、熱機関の運転温度を大幅に上昇させる必要がある。そのためには、熱機関の耐熱性を高める高温材料の開発が必要不可欠。」と吉見准教授は語る。
「材料を使ってもらうためには信頼性が大切。」丸山教授はこのように話す。信頼を得るために様々な視点からの検証を行う必要があり、一つの研究テーマに対して10年、20年と非常に長い時間がかかる。また、材料の開発には多くの人が携わっており、高温材料という分野一つを見ても長い歴史の上に成り立っている。そのため、今日明日で次々と研究成果があがることはほとんど無い。信念を持ってしぶとく、地道に研究を続けることが材料分野の研究者には求められるという。最後に丸山教授は本学の学生に、「自分で問題を発見し、考え、解決する。主体的に物事を経験する楽しみは大きい。それと同時に、サークルや学友会、更には研究室などで多くの人と交わり、豊かな人間関係を築いていって欲しい。」と語ってくれた。
