産学官から180名が参加 総長「磁石イノベーションを推進」
会議当日は宮城県や仙台市をはじめとする地方自治体、自動車メーカーや電機メーカーなどの民間企業から会員約180名が出席。行政の担当者や企業の技術者、大学の研究者が一堂に会し、文字通り「産学官」の連携プロジェクトであることを印象付けた。
開会挨拶で井上総長は「第6代総長の本多光太郎博士によるKS磁石鋼の開発以来、本学は世界の磁石研究をリードしてきた。磁石イノベーションを推進するとともに、人材育成や地域活性化にも取り組まなければならない」と語った。宮城県や東北経済連合会、トヨタ自動車からも代表者が特別講演を行い、低炭素社会にむけたモータ磁石の重要性や、産業活性化について活発な発議がなされた。「永久磁石の開発で、ハイブリッド車や電気自動車が進化し、さらに普及されることが期待される」(トヨタ自動車遠藤正隆氏)。
日本ボンド磁性材料協会CEOの原田英樹氏は「小型モータの世界市場における日本企業のシェア率はトップであり、維持していく必要がある。希土類生産量の大部分を占める中国との付き合い方が重要になる」と強調。
モータ磁石の研究開発を話し合う第2部では、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の飯田康夫氏が講演。「我々は『希土類代替材料プロジェクト』などを通して集中的・戦略的取組みを実施している。他国がまねできない新しい永久磁石の開発により、東北地方を核としたモータ磁石の産業振興につなげたい」と語り、研究開発の必要性を指摘。本学における研究成果の創出に期待感を示した。
実際に研究開発を進めている杉本諭教授と高橋研教授の両名は、これまでの研究成果と今後の展望を発表。杉本教授は「磁石の材料開発の歴史を振り返ると、イノベーションが繰り返されている。イノベーションには自由な発想を持った人材の育成が不可欠」と人材育成への熱意を語った。日本磁気学会の会長を務める高橋教授は、「東北大をコアとして、異分野融合を進めたい。産業振興によるシナジー効果も期待する」と抱負を語った。
