東北大学新聞:

金属学会へ取消し要請 「論文賞」に研究不正疑惑

「井上総長の研究不正疑惑の解消を要望する会(フォーラム)」は、井上氏らが2000年に日本金属学会の「第48回日本金属学会論文賞(物性部門)」を受賞した際、受賞の根拠となった論文について、データの使い回しなどの研究不正があるとして、同賞の授賞を取り消けすように同学会へ申し入れを行った。当該論文は1999年に井上氏ら4名により執筆され、純金属をアルゴン雰囲気下で加工することでバルク金属ガラス試料を得たとしている。

しかし、同氏らが97年に発表した論文と実験データや画像が酷似していることから、フォーラムが独自に精査したところ、99年論文には試料外観写真やX線回折図などで97年論文からの使い回しがあると推断されるという。97年論文と99年論文の合金組成はほぼ同一【Zr65‐Al7.5‐Cu12.5‐Ni10‐Ag5】であるが、99年論文では引張破壊強度が大幅に強化されている。ガラス単相の場合、同一組成であれば引張破壊強度はほぼ同じになるはずであり、実験結果に疑問符がつけられている。
こうした判断から、フォーラムは日本金属学会に「論文賞」の取り消しを含む、しかるべき措置を講じるように要請した。また、6月下旬には99年論文の研究助成機関と考えられるJSTに対して研究不正疑惑の告発を行った。

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